みなさま、こんにちは
今回は、Wordで論文を書いている皆様へ
論文の締め切り間際に発生するPDFの書き出しについて、私なりの最適解を見つけたので、シェアしたいと思います。
論文を書く際には、いろいろ気を付ける点があると思います。投稿する先によって、フォントや書式、余白の大きさ、PDFの容量まで決められているのが普通かと思います。
投稿や締め切りの時間が迫る中で、先生や同輩、上司や同僚に意見をもらいながら推敲を繰り返す。その作業の最後に待っているのがPDFへの書き出しになるかと思います。ここで、PDF化してみて思ったように出力されないと無駄に時間を食うことになってしますので、私なりのやり方をシェアします。
この記事では、2024年4月現在のwindows環境での最適解として書いていますので、最新の情報を反映していない点はご留意ください。
結論
まず、結論のやり方としては、
入れる図は、拡張メタファイル形式で入れ
wordでの書き出しは、印刷→CubePDFで行う。
図や表の作成
PDFで提出するようになって、見る人が図を各自拡大してみるというのが主流になってきています。紙で印刷する分には気にならなくても、画面で拡大してみると意外と図が気に入らないということがあるかと思います。拡大を前提とするとベクター形式で図を作成することが重要になってきます。
ラスターとベクター
ここで、図の代表的な形式であるベクターとラスターの違いについて簡単に述べたいと思います。
図で説明するのが一番わかりやすいと思いますが、
ラスター:点の集まりとして図を構成する
ベクター:始点、終点を結ぶ線などを数式で表示する
というイメージです。おそらく正確な理解ではありません。
これらはファイルとして保存する場合、ファイルの拡張子で見分けることができます。また、写真はラスターにしかならないかと思いますので、その場合は仕方がないです。いい具合に解像度をコントロールするしかないです。
ラスター拡張子:jpeg、png、GIF
ベクター拡張子:svg、eps、emf
といったものが具体例になります。
論文でデータ容量が限られてしまうので、自分で作成する図は可能ならベクターで入れると拡大しても綺麗で、データ容量も節約できます。大学の研究室でよくわからないけど、図は拡張メタファイルで貼れ!と言われているのはこのためです。ここから、主な私の図の作成法それぞれでやり方を書きます。
パワーポイントやエクセルでの作図
図や表をパワポorエクセルで作成することは多いかと思います。これらのソフトは標準でベクター形式を利用できますので、きちんとWordで貼り方を指定すればベクター形式で持ってくることができます。
具体的には、パワポorエクセル側で、普通にコピー(ctrl + Cも可)して、Wordで貼り付ける際に「拡張メタファイル」を指定します。デフォルトではホームタブの一番左に貼り付けというボタンがあり、そこの三角を押すことで「形式を選択してペースト」で拡張メタファイルを選択することができます。
pythonでのグラフ
グラフや図はプログラムで作成するという場合も多いかと思います。ここでは、利用者が多いと思われるpythonのmatplotlibを用いた方法を紹介します。とはいっても、基本は同じ方針です。
pythonのライブラリであるmatplotlibではベクター形式での書き出しに対応しています。ただ、その形式は「svg」のみとなっています。なので、ここでは省略しますがsvg形式で書き出しをしてください。このままsvgファイルをWordへ取り込むことも可能ですが、なぜか私の環境だとPDFにした際に文字がベクター形式で書き出されないので、拡張メタファイル形式に変換してWordへ取り込む必要があります。逆に、文字がない図の場合はこの作業は必要ないです。
変換の仕方はいくつか方法がありますが、googleで調べるとよく出てくるコマンドを使用する方法ではない方法をご紹介します。。というか私がよくやる方法です。
その方法は、
図を一度パワポへ貼って、パワポ内でコピー、拡張メタファイルとしてパワポ内で貼り付ける
です。二度手間ではありますが、この方法を用いています。
この方法の利点として、matplotlibの細かい調整を放棄せざるおえない場合に、パワポで上から図を修正することができるということがあります。また、推敲の際に「この図だとわかりづらいから、こういう線や凡例を足そうか」なんて言われた際にも活用できます。
PDFの書き出し
WordでのPDF書き出しについてです。WordではPDFに書き出す方法がいくつも用意されています。細かくみると、書き出し方法によって出力されるPDFとその容量に差があります。。。ここは修正してほしい。また、PDFにした際にレイアウトが崩れること(合わせたはずの図がちょっとずれている等)もあるので、PDFの書き出し後にチェックすることは重要です。
Abobeに課金されている場合は、Abode アクロバットで書き出すこともできます。正直、この方法が取れる場合は、adodeでやってもらう方が細かい調整ができますので、Abodeをお使いください。
一番のおすすめ方法は、フリーソフトであるCubePDFを利用することです。
CubePDFをインストールして、Wordの印刷からCubePDFを選択して書き出しをします。
(図はCubePDF公式サイトから引用)
ここで一つ注意で、書き出す際にオプションの「PDFファイル中の画像をJPEG形式で圧縮する」のチェックを外す必要があります。ここを忘れるとベクター形式でPDFとなりません。
ちょっとだけ規定のサイズをオーバーする場合は、ここで解像度を調整することができます。ここは出力されたPDFを見ながら慎重に設定してください。
最後に
Wordを使って論文を書かれる方へ、少しでも参考になりましたら助かります。
もっといい方法があるという方、ぜひ教えていただきたいです。よろしくお願いします。
ではまた!